ロードバイクやクロスバイクに乗っている方でしたら「回転数」を意識している方も多い事でしょう。

自転車通勤中にも、高回転でシャカシャカと漕いでいるロードバイクをよく見かけますが、初めて見た人は、軽いギアで早く回す事に「何故?」と思う人も少なくないと思います。

又、「高回転で走る練習を!」「90回転を目指しましょう!」なんて聞いた事もありますが、なぜ高回転を重要視するのでしょうか。

90回転と言われるようになったキッカケ

まずこの手の話でよく出てくる用語ですか

自転車を重いギアでグイグイと漕ぐ人を「トルク型

軽いギアで回転数を上げて漕ぐ人を「回転型」と呼んだりします。

又、自転車において1分間のクランク回転数のことを「ケイデンス」(Cadence)と言います。単位は「rpm」(revolutions per minute)。毎分回転数という意味ですね。

60rpmであれば、1分間に60回転クランクを回した事になります。1秒に1回転です。

ケイデンスはサイクルコンピュータなどで計測できます。

さて、90回転と言われた由来ですが、これはツール・ド・フランスで7連覇を成し遂げたランス・アームストロングがキッカケとなっているようです。


※ランスは1999~2005年にかけてツールドフランス7連覇をしましたが、後にドーピングを認め、残念ながら全て剥奪されてしまいました。

と、7連覇を成し遂げた超人のケイデンスが90rpm前後だったわけですね。

この90回転の何が良かったかというと、「効率」が良かったのです。

レースにおける高回転数の効率の良さ

レースでは必ず相手がいる為、常に一定の速度でマイペースには走れません。
ペースを保ったり加速したりする中で、重すぎるギアだとスピードアップに対し「踏み遅れ」が生じ、軽すぎれば「乗り遅れ」が生じるんですね。

高回転は様々な場面に対応しやすく、更には筋肉や膝への負担が少なく、故障しにくいという事です。

それからというもの、多くの選手が高回転を意識するようにもなり、各メディアも「高回転で走れ!」と取り上げるようになります。

ランスは長距離の坂道をも90rpmで登ります。登り坂でも高回転を保つ事の有効性は科学的にも証明されているそうです。

又、ドラフティング効果で空気抵抗を受けずに走行している場合にも高回転時の方がより筋肉への負担を軽減できるメリットもある為、レース中のここぞという場面で加速できる余力を残しておける、という事です。

※ドラフティングとは
他の競技者や車両の真後や真横を走行する事により、風圧を減少しアドバンテージを得る事。「ドラフト」や「スリップストリーム」と呼ぶ事もある。

ちなみに車の場合、例えば大型トラックの真後を走行して風圧を減少させた場合、エンジンへの負荷が減り、燃費向上の効果もあります。

とにかく回転数をあげれば良い?

これは間違いです。
ペダリングは、ペダルを通していかに効率よくクランクを回せるかが重要となってきます。自転車を等速で効率よく進ませるには、ペダリングも等速のような動きをした方が良いという考えです。

ペダリングのチェック方法

チェーンの震え

クランクが1回転する中で、正しいペダリングで常に力が加わっている場合、チェーンは張り続け、等速を保ちやすくなります。

しかし高回転を意識していると下支点で一瞬力が抜けてしまう事が多く、その場合にはチェーンが張ったり緩んだりを繰り返して細かく震え、効率よく力が加えられていないケースが多いそうです。

BBの左右のブレ

ペダリングで後方へ滑らす動作がうまくできていない場合に、BBの左右のブレが多く起こるそうです。

ペダルを踏む時だけ力がかかってしまい、後方に滑らせて引き上げる事がうまくできていないと効率が良いペダリングとはいえません。

後方に滑らせて引き上げる動作は、意識しすぎるとおかしな感じになってしまいますよね。私も、クロスバイクですがその感覚は経験済みです(笑)

最初は引き上げる際にうまく脱力できていれば充分だそうです。

まとめ

とにかく軽いギアで、シャカシャカと回転数をひたすらあげているだけでは意味がありません。又、プロのライダーでも回転数の低いトルク型の選手も多く存在している事から、全てにおいて必ずしも高回転がベストというわけではなさそうです。
そのレースの特性や状況によっても変化する事でしょう。

初心者の練習としては、まずは70回転程やそれ以下のペダリングで、正しいペダリングができているかを確認しながら練習する事が重要ですね。

考えてみれば確かに、どんなスポーツでも動作を体に馴染ませるのは「ゆっくりな動き」で確かめながら体に覚えさせ、徐々にスピードをあげて練習していきますよね。

私もこれまでに様々なスポーツを経験してきましたが、できていないうちにスピードだけあげると「悪いクセがつくからダメだ」と、必ず言われます。

きっとそれは自転車も同じでしょう。

初心者であれば尚更、雑誌やメディアの大きい見出しに惑わされず、基本からシッカリと身に付けていけたら良いですよね。